新年あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
毎年新年の1回目のコラムは干支の動物の出てくる絵本をご紹介してきました。今年はへびですね。いくつか頭に思い浮かびます。
まずは『へびのクリクター』です。トミー・ウンゲラーの絵本です。大きい、でも、かわいいクリクターが大活躍するお話です。
『町かどのジム』にも大蛇が出てきます。いきなり海から現れて「だれにも愛されていないんだ!」と叫びます。ジムが長い長い体をさすってあげるとうっとりします。
『星の王子さま』には印象的な絵が出てきますね。みんなには帽子に見えるのですが、じつはゾウを飲み込んだへびの絵なのです。王子さまにはすぐにわかりました。
ただ……。
もう二十年以上もコラムを書いておりますので、干支も何周目かに入っております。なので、へびの絵本もいくつかご紹介しているのですね。上記の作品ももしかしたら、といいますか、まずまちがいなくどれかはご紹介しているのですよね。
ちゃんとバックナンバーを調べて、ちがうものを書けばいいのですが、またべつのちがうへびを思いつきましたので、それを今回は書こうと思います。12年前はぜったいに知らなかった本に出てきます。
それは『鬼滅の刃』の錦丸です。蛇柱・伊黒小芭内といつもいっしょにいる白い大きなへびです。勇敢なへびです。ぼくは、実は伊黒小芭内推しなのです! ははは。
『鬼滅の刃』ブームにはかなり遅れて参加いたしました。子どもたちがあまりに『鬼滅の刃』の話をするので、それでようやく知ったのです。それでも、なんか絵がちょっと怖そうだったのもあり、ずっと読まないでおりました。
ところが、ある日、校舎の子がぼくに『鬼滅の刃』の21巻を持ってきてくれました。どうしても読んでほしかったのだそうです。そして、選んだのが21巻だったのです。
ぼくは、ほんとにぜんぜんお話を知らなかったので、いきなり21巻を読むのはかなりたいへんでしたが、それでも感動しました。物語にも感動しましたし、この巻を選んでくれたことにも感動しました。
その後、自分で22巻を買いました。そこには伊黒小芭内のこんなセリフが載っています。
「鬼のいない平和な世界で もう一度人間に生まれ変われたら
今度は必ず君に好きだと伝える」
号泣ですね。
これから大きくなる子どもたちの世界が、平和な世界であることを願います。