椎名誠さんが編集長をされている『本の雑誌』のバックナンバーを読んでおりましたところ、おお、と思ったところがありました。
ある出版社のお話です。当時、編集者で、いまは大ベストセラー作家になった方のインタビューが載っていました。その出版社は、編集者たちが、『主語で仕事をしていた』というのです。
「わたしはこういう本を作りたい」
「わたしはこういうものを読みたい」
このように、いつも、主語が自分だったというのです。残念ながら、いまはそういう編集者は少なく、「だれかがやっているから」とか「だれかに聞いた話だが」などのように、主語が他人になっていて、それで本を作っていることが多いということでした。
大事なことだと思いました。まず、自分が考えて、自分が行動する。もちろん、自分が責任を持つ。仕事に関してもそうですし、発言や、人とのコミュニケーションなどでも、必要なことかもしれません。インターネットに溢れている情報などにも、主語がないものが多いような気がします。結局、だれがいっているのか、本当のことなのかもわからず、ただいつのまにか消えていってしまう…。
いつも、主語で話すというのは、やはり覚悟がいりますし、慎重にもなります。それでも、主語を意識して発言をするというのは大事だと思いました。ぼくがやりたいことはなんでしょうか? 常に主語で語りたいと思います。