- 新年度からNEWSコースは大きくリニューアルしました。その中の一つ『おもしろ作文倶楽部』では、今回、思い切って古典文学を大々的に取り入れるカリキュラムにしてみました。
たとえば3月の授業では『徒然草』『枕草子』『土佐日記』を取り上げています。
「小学生に古典文学なんてむずかしくないですか?」
「まだ小学2年生なのでむりかしら……」
「よけい作文や国語を嫌いになってしまわないかしら」
何人かの方からご質問を受けました。ぼくの答えはいつも同じです。
「いいえ、むずかしくなんて全然ありません。こんなにおもしろい授業はないですよ!」
そうは言っても、なかなか信じてもらえないかもしれません。学生のころ古典を苦手にしていらした方も多くいらっしゃると思います。そういう方にとっては、古典文学のおもしろさといわれても、あまりピンと来ないかもしれません。
ですが、ここで声を大にしていいたいのですが、やっぱりおもしろいのです。千年の時を越えて残っているものには、それなりの理由があります。そのおもしろさをどのように伝えようか、といつも考えています。
たとえば、3月1回目の授業は『徒然草』を使って自己紹介の作文を書いてもらいます。自分のことを書くというのはむずかしいですよね。なので、まずはみんなに『徒然草』の中からこんな文章を紹介しようと思います。
『友とするにわろき者、七つあり。一つには、高くやん事なき人。…
よき友三つあり。一つには、物くるる友。…』
友達にはしたくないという7つのタイプと、こういう友達がほしいという3つのタイプが書いてあります。いきなり、物をくれる人、というのもすごいですが、友達にしたくないタイプの方が断然多いというのも、なんとなく笑ってしまいます。どんな人が書いてあると思いますか? 嘘をつく人や、欲深い人などのように、現代でも友達にしたくない人ももちろんいますし、なるほど、と深く考えてしまうような人も出てきます。あとは授業でのお楽しみ。みんなにもいろいろと考えてもらおうと思っています。
古典のおもしろさは、なんといっても人間のおもしろさです。そして、それを書くのが作文の楽しさでもあります。こういった古典の知識は、もちろん受験や中学校の勉強で必要でもあるのですが、もっと自由に楽しんでこそ、教養として身につくものだと思います。古典文学のすばらしさと『おもしろさ』を多くの子ども達にぜひとも味わってほしいと思います。
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NEWS青葉台校室長
三木 裕