- メインコースのショートエクササイズの中で、いままで何回かやった問題に、日本史、世界史に出てくる歴史上の人物をランダムに並べ、生まれた年が古い順に並べましょうというものがあります。問題の意図としては、まず歴史上の人物の名前に触れてもらいたいこと、そして、おおよその時代を覚えてほしいということが当然あります。このショートエクササイズは古い順に並べて終わりではなく、その中から一人の人物を選んでくわしく調べたり、その中の人物の有名な言葉を勉強したりなど、必ずなにかをエクササイズを付け加えることにより、人物名をたんなる記号として覚えさせない工夫をしています。
それと、もう一つ、日本と世界の関係というのもぜひとも考えてほしいと思っています。日本史、世界史を、まったくちがう勉強と考えず(中学生くらいだと案外そう考えてしまう子がいます)、同じ時代の中で、同じように生きていたんだというのを実感してほしいと思うのです。
ついこのあいだ、ぼくも問題を作っていて、新鮮な驚きがありました。
ニュートン 1643-1727
松尾芭蕉 1644-1694
ニュートンと松尾芭蕉は一つちがいなのですね。江戸時代のころです。もう少し調べてみますと、いろいろおもしろいです。
1661 ニュートン ケンブリッジ大学入学
1662 芭蕉 俳諧を学ぶ
1668 ニュートン 反射望遠鏡を製作
1672 芭蕉 江戸に出る
1686 芭蕉 『古池や蛙飛びこむ水の音』をよむ
1687 ニュートン 『プリンキピア』(万有引力について書いた本)を出版
1689 芭蕉 『奥の細道』の旅へ出る
1703 ニュートン 王立協会会長に選ばれる
このように書くと、芭蕉の生涯と、ニュートンの一生が、まるでなにか引き合っているようにも見えてきます。日本史、世界史、あるいは文学史、科学史という枠では計れないおもしろさがありました(ちなみに、1687年には生類あわれみの令も公布されたようです……)。というわけで、すっかり自分のほうが楽しんでしまいましたが、いっしょにみんなも喜んでくれるでしょうか? これからもどんどんおもしろい授業を考えていきたいと思います。
NEWS青葉台校室長
三木 裕