- 小学生を対象とした漢字の調査の発表が、先日新聞などに掲載されておりました。前の学年で習った漢字をどれくらい書けるかを見るというものです。その中で小学2年生のうち3割が「一つ(ひとつ)」を書けなかったという記事がありました。「人つ」などと書いてしまった子が多かったようです。
- 漢字の『一』が書けない! となりますと、とてもショッキングな出来事のように思われます。ただし、問題がどのように出されたかがわからないので(少し調べてみたのですが問題の形式はわかりませんでした)、ここだけを取り上げてはいけないように思います。たとえば、同じ括弧の中に漢字を書くという問題でも、AとBではかなり違います。
- A ひとつ
( つ)
B ひと
りんごをかごから( )つとる。 - Aで(人つ)と書く間違いと、Bで(人つ)と書くのでは、次に指導すべきポイントが変わってきます。もしBのタイプの問題で間違えているとなると、一つ、という言葉をそもそも知っているかどうかが問われるからです。
同じように「五つ(いつつ)」も2割近くの子が間違えたそうです。これは逆に「一」を書いて「一つ(いつつ)」にしてしまった子が多かったようです。もしかすると、漢字というよりも、言葉の問題なのかもしれません。これだけではなんともいえませんが……。 - その他の記事では、
・読みは各学年とも9割以上できるが、書きは高学年になるほど割合が低くなる。
・宿題でだけ勉強するよりも、授業内で漢字の勉強(指書きなど)をしたクラスのほうがよく書けていた。
といったところも気になりました。 - 漢字の指導は、地道な努力が問われます。やはり書かないことには始まりません。授業内で行うにしても、読解などとのバランスも当然必要になります。生徒だけでなく指導する側にも粘り強い姿勢が求められます。
小学校低学年のうちは漢字を知るということが、とてもうれしく、一つ覚えることがその分喜びとなる、という子が多いです。その気持ちを忘れさせないよう、また、ただ覚えるだけではなく、言葉として理解させること、これも必要なのではないかと思いました。
NEWS青葉台校室長
三木 裕