先日、NHKの番組で『10歳の壁』についての番組が放映されており、いろいろと考えつつ見ておりました。ちょうど8月からNEWSではじまる新コースと非常に重なる内容だと思ったからです。
10歳、小学校4年生ころから特に算数で「大きな数」「小数・分数の計算」などイメージをすることが難しい抽象的な概念の問題が増えてくることに伴い、勉強が出来なくなってしまう子が多くなることから『10歳の壁』という言葉が出てきました。来年度から学校ではさらに学習時間が増えます。さらに壁が大きくなるのではないか、と懸念する人も多いようです。
番組の中で「イメージする力をつけるためには『考える力』が必要である」とありました。そしてさらに「考える力とは『言語能力』である。」という指摘もありました。人間は言葉でものを考え、またそれを伝える手段としても主に言葉を使います。つまり、言語能力を発達させなければ、思考力も育たないということなのです。
たとえば、計算はとても速いのに文章問題がとても苦手な子がいます。国際テストなどで日本の子がよく指摘されることでもあります。
なぜ文章問題だとできないのでしょうか。番組では、文章問題の意味をイメージさせるということは、『自分との対話』だといっていました。文章問題が苦手な子は、言語でうまくイメージを伝達できないので問題を解けないということなのでしょう。自分との対話が苦手な子は、他人との対話も苦手になってしまうことが多いかもしれません。しかし、他人とコミュニケーション(=対話力)をする機会が多ければ多いほど、言語能力は発達すると考えられます。コミュニケーション能力とは、実は算数でもとても必要な能力なのです。
この番組を見ながら、どうすれば『考える力』を育て10歳の壁を乗り越えられるのかをぼくも考えていました。番組の最後に『読書をする』という言葉が出てきました。確かにそうだと思いました。小さいころからの読書の習慣ほど「思考力」「言語能力」「対話力」を伸ばせるものはないと思います。
そしてもう一つ、上記に取り上げた力の育成には「練習すること」が大事なのだろうと思いました。
読書はすばらしい力を生み出しますが、それはとてもゆっくりとしたものだと思います。(そのかわり身についた力は一生のものになると思います。)しかし、いま目の前に来ている壁を乗り越えるためには、その壁を壊したり、はしごをかけたり、違う道を見つける力も必要なのではないかと思うのです。そのための方法をしっかり教えてあげれば、みんな壁などすぐに越えていけるのではないでしょうか。
ぼくはこれまでNEWSメインコースの責任者として、いろいろな試行錯誤を続けてきました。まさに今まで書いたような思考力をつけてほしいと考えて作ったコースでもあります。フィンランド式学習法を勉強以外にも応用したコースです。
それをさらに国語や算数に特化した形でできることがあるのではないかと思うのです。新コースがまさにそのようなコースなのです。10歳の壁が来る前に、今だから出来ること、今だからやらなければいけないことをやるコースです。
8月から始まるNEWSの新コース『NEWS算国能力開発教室』は、NEWSのメンバー全員で考えたコースです。ぼくも色々と意見を出しました。小1から小3の子供たちを対象に、算数・国語を使って、様々なカリキュラムを行っていきます。
まだまだこれから新しく作っていくコースです。NEWSだからできることを、また新しいアプローチで行っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
NEWS青葉台校、センター北校室長
三木 裕