赤瀬川原平氏(『老人力』の本を書いた人です)の本の中に、偶然あったできごとをノートに書き溜めていたということが書かれてあり、おもしろいと思ったことがありました。1ヶ月ほどためしにやってみましたが、書き残してみると意外にあるものです。もうやめてしまいましたが、なぜ突然このことを思い出したかといいますと、数日前に、かなりすごい偶然のできごとがあったからです。
その夜、新聞の夕刊を読んでいましたら、ある記事に眼が留まりました。ベビーカーを使っていた主婦が、駅のエレベーターの位置や、ベビーカーでも行きやすい場所などがわからず不便に思っていたところ、一念発起し自分で路線の各駅の構内を調べ、ベビーカーの人でも使いやすい地図を作り、それがどんどん広がりとうとう会社にまでなった、という記事です。
読んでいるうちから、「あれ、この記事読んだばかりだぞ」とは思っていたのですが、深く考えず、新聞の連載記事なのかなくらいに思っていました。それにしてはあまりに同じことが載っているので、よく考えてみましたら、その記事を読んだ前の日に読んだ本と、まったく同じ人の、同じ内容のことが書かれていたのでした。
このエピソードが有名だから起こったことともいえますが、その本はもう十年以上も前に出版された本で、今回その部分を読んだのはまったく偶然ですし、その次の日の新聞にその人の記事が出るなどということも、もちろん知っているはずがありません。このような偶然があるのですね。びっくりしてしまいました。
その主婦の方は自分が不便に思うことを解消するために始めたとのことですが、それを自分だけで利用せずに、近所の主婦の方にも教えてあげ、非常に喜ばれたことから、このような大きなできごとになりました。NEWSでの習い事は、多くの人に喜ばれているでしょうか? あまりに偶然のできごとが、あらためて何かを考えさせてくれるきっかけになったような気がします。
NEWS青葉台校、センター北校室長
三木 裕