どくとるマンボウこと北壮夫氏が亡くなられたそうです。ご冥福をお祈りいたします。
『どくとるマンボウ航海記』などのユーモラスなエッセイや小説をぼくはたくさん読みました。そして、エッセイとはまた趣の違うリリカルな小説『幽霊』なども好きでした。ですが、今回のニュース記事に際し、北氏の作品リストというのを見ましたが、とてもとても、まだまだ読んでいない作品が多かったです。これからも読み続けていきたいと思います。うちにも読んでいない作品がまだありますので……。(名作との誉れ高い『楡家の人びと』もずいぶん前に買ったまま置きっぱなしです。)
北氏といえば、ぼくの中で、友人の作家たちとの交流のにぎやかなイメージが浮かびます。遠藤周作氏との悪口?合戦や、阿川弘之氏との旅行の話など、どれもみな本当に楽しそうです。
そして、もう一つ、熱狂的な阪神ファンだったこと。長く優勝から遠ざかっていたころからの北氏の応援は、まさに抱腹絶倒です。ぼくも同じ気持ちで応援しておりました。
それ以外にも、躁鬱病や株の話など、個人の話にも常にユーモアのあった北氏の本で、読書の楽しみを知った人はとても多かったのではないでしょうか。いまの子どもたちにも、ぜひ読んでほしいです。そういえば『船乗りクプクプの冒険』という児童小説もありましたっけ。純文学の中にも、上品なユーモアをこめられていたすばらしい作家がまた一人お亡くなりになられたこと、とても残念です。来月は北氏の本を読み直してみようと思います。
ちなみに、前回の先生のコラムで書きましたアガサ・クリスティーの小説ですが、2回目にもかかわらず最後まで犯人がわかりませんでした。そして、真相を知って本当にびっくりしました。さすが、名探偵ポワロ! さすが、クリスティーですね。読み終わって、たしかに『邪悪の家』という題名はぴったりだと思いました。翻訳者もすばらしいと思いました。
NEWS板橋校室長
三木 裕