柳田國男の本を読んでおりましたら、『かごめかごめ』という遊びについての文章がありました。
かごめ かごめ
かごの中の鳥は
いついつ出やる
夜あけのばんに
つるつるつーべった。
あるいは
鶴と亀とつーべった
ともいっている。そういうといっしょに全員が土の上にしゃがんでしまい、そのあとで、
うしろの正面だァれ
このような感じで『かごめかごめ』という遊びについての説明とその由来の推測などが書かれています。なんとなくぼくが覚えているのは「鶴と亀がすーべった」という言い方ですが、この本が書かれたのが昭和16年頃ということですので、それから多少は変化があったのかもしれません。
この本を読むまで、『かごめかごめ』という言葉について考えたことは一度もなかったのですが、そういえば「かごめ」ってなんでしょうね? 籠の中の鳥のこと? みんなで囲め囲め? かもめ? なんとなく漠然とそれらのことを一体化して歌っていたように思います。本によりますと、「かごめ」は身をかがめよ、すなわち、しゃがめしゃがめ、という意味だと書いてありました。よくよく見れば、夜明けの晩というのも、おかしな言葉です。そうやっておもしろいことをいいながら楽しく遊んだものが残ったということなのでしょう。
この『かごめかごめ』遊びですが、いまの子どもたちはするのでしょうか? この遊びは人数が多くないとおもしろくありません。みんなで手をつないで、もちろんみんな名前を知っていて、ぐるぐる回って……。たくさんの子どもたちでいっしょに遊ぶ経験が、どんどん失われているような気がしてならないのですがいかがでしょう? いまでも幼稚園などではやるのでしょうか? なぜだか妙にさみしい気持ちになってきました。
NEWS板橋校室長
三木 裕