日曜日の午前中にテレビで将棋の対局番組をやっており、よく見ています。ただ、プロ同士の対戦ですから、盤面を見ても、いまどちらが優勢なのかまったくわからず、まだぜんぜん途中にしか見えなくても、急に「負けました」と投了するときもあり、面食らってしまうこともしばしばです。
しかし、最近は、画面の上のほうに、AIによる情勢判断というのが出るようになり、一目でどちらが優勢かわかるようになりました。盤面だけを見てもよくわかりませんが、AIの判断というのはわりと早い段階から大きく開くことが多いようで、80%対20%で先手が有利などという形で、差がつくことが多いようです。その後、一進一退を繰り広げ、極端な場合は99%対1%みたいになるときもあり、そのまま押し切られると投了になります。
ただし、いろいろな競技で、ふつうは99対1だとよほどのことがないかぎり、そのまま勝つわけですが、将棋は、そうでもないのが驚きです。なにか、ひとつ手をまちがえると、その瞬間に、AIの判断がまったく逆になることもしばしばあります。そうなると、解説のプロの棋士もびっくりするようで、どうなったんでしょうか、わかりませんねえ、なんていったりして、人間味が感じられたりします。
おそらく、プロ同士の勝負というのは、まちがえなければ必ず勝つという場面でも、つねにその差は僅差であって、ほんのちょっとしたことで逆転されてしまうという厳しい勝負なのでしょうね。その中で高い勝率で勝ち続ける羽生九段や藤井聡太二冠(ただいま二冠ですが、すぐに三冠、四冠となってしまいそうで、書くときに迷いますね)は、本当にすごいのだと思います。AIのおかげで、さらに将棋の奥深さ、おもしろさがわかった気がします。これからも番組を楽しみたいと思います。