NEWSサマースクールで実施いたします読書感想文コースで使用する本の選定を行いました。毎年、本屋さんでもフェアとして大きく売り出されます青少年読書感想文全国コンクールの課題図書の中から、今年も各一冊ずつ選びました。NEWSでお勧めする本は以下の通りです。
小学1、2年生向け
『へいわってどんなこと?』 浜田 桂子/作 童心社
低学年向けの絵本の中でも、文字数としてはかなり少なめで、生徒さんによっては物足りなく思うかもしれませんが、戦争という大きなテーマについて正面から投げかけている内容であることと、日本・中国・韓国の絵本作家の方々が協力して行っている平和絵本シリーズの一冊とのことで、選びました。様々な切り口があり、書くのはとても難しいところもあると思いますが、がんばって読んで、考えてほしいと思います。
小学3、4年生向け
『ココロ屋』 梨屋アリエ/作 文研出版
やさしい心、あたたかい心、正直な心などなど、主人公のひろきの前にココロ屋があらわれ、いかにもすばらしそうなココロを売ってくれます。ところが……。不思議な設定で読者をわくわくさせつつ、真剣に心について考えてほしいというような作者の思いが伝わってくるような気がして選びました。自分の心についてじっくり考えたり、ましてや作文にするという経験は大人でも少ないと思います。読書感想文という機会に、じっくり考えてほしいと思います。
小学5、6年生向け
『ピアノはともだち』 こうやまのりお/作 講談社
有名な世界のピアノコンクールで優勝し、目が見えないながら数々の難曲を自在に弾いてしまうピアニストの辻井信行さんの生い立ちや、コンテストに出場したときのこと、またご両親やピアノの先生方について書かれたノンフィクションの本です。これまで読書感想文のNEWSおすすめ図書を選ぶときノンフィクションを選ぶことはあまりしませんでした。興味のある、なしによって内容についての極端な好き嫌いが出やすいこと、そして、やはり物語をきちんと読む力を身に付けてほしいと思うからです。ただし、この本は、かなり悩みましたが、やはり外せませんでした。ピアノを心から愛し、ピアノを通して多くの人たちとつながっていく、ひとりの人間としての辻井さんの魅力が、この本にはあふれています。たくさんの子どもたちに読んでほしいと思いました。
今年の課題図書もおもしろい本がたくさんありました。その中で、今年は全力の直球勝負!というような、心にダイレクトに響くような作品を3冊選びました。みんなどんな作品を書いてくれるでしょうか? いまからとても楽しみです!
NEWS板橋校、NEWS青葉台校、NEWSセンター北校室長
三木 裕