先日、テレビで見た小田和正さんの番組で、小田さんがこのようなことをいっておりました。
「また風が吹いているとかいわれたけど……」
小田さんの歌のモチーフによく風が出てきます。それを揶揄する声もあったのだそうですが、よい歌を作り続けることにより、それが普遍性といわれるようになった、というお話です。普遍性があることがいいことであるかどうか、小田さん自身必ずしも肯定だけはしていないようでしたが、それでもアーチストは他人の評価で傷ついても(実際小田さんも傷ついた様子)作り続けるしかない、というような意味に受け取りました。
「風のように」「風に吹かれて」「風の街」「風と君を待つだけ」「風の坂道」などなど、タイトルに風が出てくるものも、ぱっと思いついただけでいくつもありますし、歌詞に出てくるものはもっと多いはずです。批判しようと思えば、できるでしょう。他にも、空、船、流れる、など、いくつかの歌詞に出てくるモチーフもある気がします。
もちろん、大ファンのぼくとしては大いに反論したいところですが、今回はひとつだけ書きたいと思います。わかりやすく、だれでも知っている言葉を使うからこそ難しく、また心をうつのだよ、と。たとえば、俳句の季語のように何百年も使われていながら、なお新しく広がっていく世界があります。それは、まさに普遍性であり、創造性を引き出すものでもあります。小田さんのたくさんの歌たちが、それぞれ一つ一つの世界をつくりつつ、ひとりのアーチストとしての大きな世界をつくりあげてきたことを、長い長いあいだファンであるぼくは知っています。これからも、もっともっと歌を作り続けてほしいと願います。
先週、ぼくたちNEWSの母体である国大セミナーのイベントを手伝いました。風鈴に絵を描くイベントです。そのとき、本当はなかったのですが、せっかくなので俳句も(むりやり?)作ってもらいました。そのときの一句を最後にご紹介します。なんと小1の女の子です。ここにも、すてきな風があります。
ふうりんは かぜのおとだよ きれいだな
とてもいい句だと思いませんか? ぼくの心の中にも、さわやかな風が吹いてきました。
NEWS板橋校、NEWS青葉台校、NEWSセンター北校室長
三木 裕