新聞でお米についてのおもしろい記事を読みました。
「研究員も二口食べるのがやっと」「検査が不可能なほど品質が悪かった」というお米がありました。粘り気が少なく、うまみも抜けやすく、名前さえ付けられず、飼料用にも出回らなかったそうです。
ところが、です。このお米は、ふつうのお米よりも収穫量が1.5倍多く、粒も長く大きい、少ない肥料で育ち、いもち病という病気にも強いという特徴もありました。
そして、この長所に目をつけた秋田県が、奨励品種に指定しました。すると、米粉用に適しているとのことで、全国展開している菓子店の米粉ドーナツに採用されたり、比内地鶏の飼育にも使われることになり、いまでは、開発者が当惑するほどのブレークぶり! なのだそうです。
ほかにも、形のまずさで主食用になれなかったお米が、酒造用として使用されたり、一度だめだといわれたお米が、第2の道で活躍しているという記事も載っていました。
お米の話だけでしたが、いろいろと考えさせられる記事でした。この記事を読んでぼくが思ったのは、唐突に思われるかもしれませんが、マンガの『ワンピース』でした。
子どもたちに大人気の『ワンピース』は、ご存知の方も多いと思いますが。たくさんのキャラクターが出てきます。主人公はルフィといいますが、体中がゴムのように伸びる特性があります。ものすごく強いルフィですが、無敵というわけではありません。さまざまな個性を持つ仲間たちの力を借りて冒険をつづけていくのです。
仲間以外のキャラクターもみな個性的です。たとえば、道化のバギーというキャラクターがいます。ルフィにとっては敵だと思うのですが、ときどき助け合ったりします。バギーは戦いは弱く、卑怯です。でも、なぜか多くの人たちを鼓舞してひとつにする力があります。バギーはわりと物語の早い段階から出てくるキャラクターですが、そこだけで終わらず、自分の個性を生かして、いつのまにかしっかり自分の新しい居場所を作っていました。
ほかにも大勢のキャラクターたちが、それぞれの個性を生かして、支えあって生きていく姿が『ワンピース』には描かれています。もともと子どもたちに薦められて読み始めたのですが、これほどおもしろいとは思わなかったですね。
まずいといわれたお米の個性に注目して、その新しい居場所を作った方々の努力に敬服します。いまの子どもたちも、『ワンピース』のように、自分たちができることを信じて、自分だからこそできることを探して、ルフィや麦わらの仲間たちのように生きてほしいと願います。NEWSは、きみだからこそできることを、いっしょに探していく場所です。きみだからできることが、ぜったいに、だれにもあります。もし自信がなかったら、一度NEWSに来てください。まずは、『ワンピース』でだれが一番好きかを教えてください。ぼくは『サンジ』です。
NEWS板橋校、NEWS青葉台校、NEWSセンター北校室長
三木 裕