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第306回

ごん、おまいだったのか

2013.07.05更新

 

 新聞でとても驚いた記事があったのでご紹介いたします。それは、あの名作、新美南吉の『ごんぎつね』のオリジナル原稿というのがあって、いま普及しているものと違っているのだという記事でした。『ごんぎつね』は、教科書にも載っている有名な物語で、最後、鉄砲で撃たれる場面で終わります。そして、なんとその最後の場面も違っているのでした。

「ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは。」
 ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなづきました。
 兵十は、火縄銃をばたりと、とり落としました。青い煙が、まだ筒口から細く出ていました。


 これが、初掲載の雑誌『赤い鳥』のものを踏襲したと思われる、ぼくらが読み、いまも読み継がれている作品の最後です。とても悲しい、余韻の残る終わり方です。では、新美南吉の自筆原稿ではどうなっているでしょうか(一部旧かな遣いを直しています)。

「権、お前だったのか……。いつも栗をくれたのは―。」
 権狐は、ぐったりなったままうれしくなりました。兵十は、火縄銃をばったり落としました。まだ青い煙が、銃口から細く細く出ていました。


 漢字の表記であったり、言葉遣いなどにも違いがありますが、なんといっても、ごんの気持ちですね。『うれしくなりました。』とはっきり書かれているのです。ぼくが読んだもの、そして、いまも教科書に載っているものは、そこが書かれていません。だからこそ余韻が残るともいえるかもしれません。最後までわかってもらえずごんはかわいそう、と思っていた子たちが、この一行を知ったら、どう思うでしょうか。少し救われたと思うでしょうか。

 どちらがいいとは簡単にはいえませんし、どちらを最初に読むかでも変わってくるでしょう。新聞にも書かれていましたが、読み比べをすることも大事なのかと思います。ただ一行加わった(あるいは無くした)だけでこんなにも印象が変わることに驚きました。物語の森は本当に豊かで深いです。それが国語のおもしろさなのかもしれません。

NEWS板橋校、NEWS青葉台校、NEWSセンター北校室長  
三木 裕

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会社概要

商号
株式会社 NEWS(ニュース)
創業
2000年3月1日(株式会社国大セミナーの一部門として創業)
設立
2012年10月1日
資本金
1000万円
代表者
           
代表取締役 小倉拓也
本社
〒330-0063 埼玉県さいたま市
浦和区高砂2-5-5 KIビル 3F
電話
048-831-2223
事業内容
子どもの総合教育企業。
子どもたちが、21世紀を生き抜くために必要な教育を提供している。1人ひとりの成長に責任を持つために、全ての事業は少人数制を基本としている。
グループ
株式会社 国大セミナー
会社
設立:1985年10月1日
■学習塾(国大セミナー)104校(2024年3月現在)
グループ
株式会社 NEWSエンターテインメント
会社
設立:2008年10月1日
■子役養成機関(NEWSエンターテインメント)
グループ
株式会社 そらまめキッズツアー
会社
設立:2010年10月1日
■子どもの体験型ツアー実施する旅行会社
(そらまめキッズアドベンチャー)
グループ
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設立:2015年2月1日
■保育園・インターナショナル保育園・学童くらぶ
グループ
株式会社 ドリームプラネット
会社
設立:2015年6月1日
■生活・文化・新規事業部門

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