今年のNEWSサマースクール読書感想文課題図書の高学年用のおすすめの本には『飛ぶための百歩』という本を選びました。外国の本で、視点が急に変わり(鳥の視点になるときもあります)、最初は読みにくいかも、と思いましたが、みんなよく読んでくれています。
主人公の男の子は、目が見えません。しかし、自分でなんでもやろうとします。逆に、人に手伝ってもらうことが許せないのです。そのかたくなな心が、本の中でどう変化していくのか、読んでくれた子たちには、しっかり伝わっていると思います。
さて、先日、全盲のマジシャンのニュースを見ました。えっ、と、ついおどろいてしまいますが、見事なマジックを舞台で披露するそうです。なにかに挑戦したいという気持ちではじめた、かなりご高齢の方で、プロのマジシャンの方に手ほどきを受け、地元の小学校や、いろいろな場所でマジックを演じているそうです。
人の三倍努力したということですが、やはり、舞台では失敗してしまうこともあるようです。ただ、そのハプニングも楽しんだり、子どもたちへの学びになるのでは、と、その方は話していました。諦めないで努力することの大切さが、きっと、みんなの心に残ったと思います。
『飛ぶための百歩』の男の子は、人に「できない」ということを嫌がります。でも、だれかに助けてもらわないといけないときがあります。それは、その男の子だけではなく、すべての人間がそうなのです。たったひとりで生きていける人はいません。
だれかのがんばりが、だれかの勇気になることもあります。後半戦の読書感想文の授業では、そんな話もしてみたいと思います。