考古学者であり、保険調査員、もとSASの教官という主人公が活躍する『MASTERキートン』というマンガをご存知でしょうか。ちょっと古いマンガですが……。
主人公は、数々の難事件を解決する凄腕なのですが、それは生活のために仕方なくやっていることで、本当は考古学者として、自分の説を証明するための発掘をあきらめていません。そのマンガを愛している人たちは、なにかに迷ったとき、『キートンならどうする?』と心にたずねて、いちばんよい答えを探します。……という『MASTERキートン』リスペクトのマンガもあります。
考古学というのは、古い時代のものを調査する学問という印象がありますが、このところ、もっと最近の時代についても、考古学的考察で、歴史を読み解くということが注目されているようです。
たとえば、もうすぐ最終回の大河ドラマ『西郷どん』のクライマックス西南戦争についても、熊本城の炎上が、考古学的な研究から、薩軍による放火説の可能性の低さを指摘したり、薩軍と官軍の武器の優劣がほとんどなかったことなどを検証したりしたそうです。いくつかの説がそれによって消えてしまいますね。文献や証言などの多い新しい時代でも、なかなかはっきりしなかったことが、考古学の視点から解決していくことが、これから増えていくかもしれません。
こういったさまざまな視点から解決していくためには、専門的な知識が必要なことはいうまでもありませんが、それだけではなく、柔軟な発想や、思い切ったアプローチなども必要な気がします。そう、まるで、『MASTERキートン』の主人公キートンのような……。読んでない方はぴんとこないかと思われますが、キートンは、あらゆることに精通しておりまして、それをうまく生かして、ピンチを脱出することが多いのです。
そして、NEWSで、いろいろなコースを体験した子たちも、そういうキートンのような視点を持ってくれるだろうと思っています。ぼく自身、NEWSのさまざまな分野の専門家の先生方の授業を見たり、お話をうかがったりすることで、日々多くのことを学んでおります。お勉強にしても、習い事にしても、常に多様な視点、分野が共存していること、これがNEWSの強みだと思っております。
いつか、なにかに迷われたとき、みなさまが『NEWSでならどうするかな?』と自問してくださるような場所を目指し、NEWSの先生方と切磋琢磨し、これからも、『MASTERキートン』を読み返していきたいと思います!