5月の作文倶楽部の高学年の授業では、新美南吉の名作『手袋を買いに』をテキストに、読書感想文の練習をしてもらっています。絵本になったり、教科書に掲載されたりしていますので、お読みになられた方も多いのではないかと思います。授業はまだ読解の段階ですが、きちんと内容を理解している子が多く、うれしく思っています。
最後にお母さん狐がつぶやきます。狐だと気がついたのに、帽子屋さんが、子狐のためにあたたかい手袋を売ってくれたからです。昔、人間に追いかけられて怖い思いをしたお母さん狐は、この物語の後、どうなったでしょうか? そんなことも、みんなに考えてほしいと思います。
ですが……。
ぼくは、授業中、自分自身に聞かずにはいられませんでした。「ほんとうに人間はいいもの?」
もちろん、みんなには聞きます。人間はいいもの? わるいもの? みんなの答えはさまざまです。いいところもあるし、わるいところもあるし……。人間はいいものだと信じている子狐が、ほかのお店に買い物へ行ったとき、またそこで買い物ができるでしょうか?
もちろん、みんなには聞きます。人間はいいもの? わるいもの? みんなの答えはさまざまです。いいところもあるし、わるいところもあるし……。人間はいいものだと信じている子狐が、ほかのお店に買い物へ行ったとき、またそこで買い物ができるでしょうか?
ぼくはなんと答えるべきなのでしょうか。人間はいいものです。人間はわるいものです、でも、いいものにもなれます。人間はいいものも、わるいものもいます。そもそも、ぼくはいいものなのでしょうか?
ある女の子が作文の授業で書いてくれました。
ぼくはともかく……、人間はいいものです。NEWSにいると、それが信じられる気がします。
NEWS板橋校室長
三木 裕