『森永チョコフレーク』というと、甘い味と、同時にメロディーが聞こえてきますが(チョとコのあいだに小さい『ッ』が入ります)、あの定番のお菓子が製造中止になるそうです。その理由が、チョコフレークを食べると手がべとべとしてスマホが汚れるので、子どもたちが食べなくなったから、というものだそうです。そして、つづけてグリコの『キスミント』ガムもなくなるとニュースがありました。こちらも、食べた後の始末を嫌がられ、若者全体のガム離れが進んでいるのが理由だそうです。いまの子はみんないったいなにを食べているのでしょうか?
飴とかグミなんかはみんなよく食べているみたいですし、チョコ味も大好きでしょうから、やっぱり、手が汚れたり、ガムのゴミをポケットに入れたりするのが嫌なのでしょう。ミント味のアイスも人気があるみたいで、よく話を聞きます。ぼくはあまり好きな味ではないですが……。
きれい好きな子が増えているのは悪いことではないでしょう。チョコがついた手であちこちべたべた触ってはそうじも大変です。ガムも昔は道にはいて捨てる悪いやつがいて、うっかりふんずけてしまって怒りにふるえることもわりとありましたが、いまはめったになくなった気がします。
ただ、それにともなって、あまりにきれい好きすぎる子も、ちょっぴり増えたかも、と思うときがあります。虫が嫌いな子が多いのは、まあ、わかる気がします。女の子は怖いと思うでしょうし、べつにぼくも得意ではありません。でも、けっこう大きい、中学生や高校生の男の子が、ほんの小さい蜘蛛でも、もうまったく近寄れないで、おびえてたりすると、ちょっとびびりすぎなんじゃないの、と思ったりします。写真ですら見られないとか……。むりやり手をつかんで虫をさわらせたりはしませんが、そうしちゃおうかな、と思ったりはしますねえ。
手がべとべとするのが嫌だから外で遊ぶのが嫌になる、という時代になってきているのでしょうか。ただ、いまでもどろんこに遊んだあと、遅れないように走ってNEWSに来る子もいっぱいいますから、やっぱりそうかんたんには外遊びもなくならないよな、とも思います。『森永チョコフレーク』はなくなってしまうようですが、また時代にあったお菓子が出てくるのでしょう。でも、手が汚れないお菓子や遊びだけではなく、もっともっと手をべたべたにしてしまう体験も、ときには必要なのではないかと思います。大人になったとき、意外に困ることになるかもしれません……。