先日、新聞等で、ジョン・レノンの高校時代の指導記録が競売に掛けられ、2500ポンド(約45万円)で落札されたという記事を読みました。その金額が高いか低いかはなんともいえないですが、そこに記されている内容がおもしろかったです。高校時代の10ヶ月に29件の指導を受けたと書かれていて、「宿題をしていない」「態度が無礼」や、「授業妨害」「大幅な遅刻」などが多数書かれていたそうで、競売会社は「レノンの反抗的な性格や権威への不遜な態度が15歳の頃には確立されていたことの証左」といったそうです。
さすがジョン・レノン!という内容ですが、高校時代の悪行が、死んでからもこうして世界中にニュースになって宣伝されてしまうのですから有名人も大変です。ここまで何度もはっきり書かれているのですから、そうとう先生の手を焼かせたのでしょうね。いまこの指導記録をレノンが生きていて見たらどうしたでしょう。笑い飛ばしたでしょうか……?
そして、この記事を読んだ後に、たまたまゲーテの言葉として、以下のものを見つけました。
青年のころは、高慢で、御しにくく、
おとなとなっては、実行にはげみ、
老人となっては、気がるで、気まぐれ!
君の墓石にこう記されるだろう。
たしかにそれは人間であったのだ。
おお、なんとなくジョン・レノンのようではないか、とぼくは思ったのです。残念ながら、実行にはげんだところでピストルで撃たれてしまいましたが……。気がるで、気まぐれなジョン・レノンを見たかったと思いました。もう少し世界がちがっていたかもしれません。
宿題忘れに遅刻の常習犯で態度の悪い高校生が、大人になってイマジンを作ったのだと思うと不思議だし、おかしくもありますし、なぜか切なくも感じますが、それはやはりレノンがめいいっぱい生きた人間だったからだと思います。いまの高校生のみんな! 将来きみたちが有名になったときいまの通知表が競売に掛けられるかもしれないよ! 注意して、そして楽しく生きよう!
NEWS板橋校室長
三木 裕