NEWSのサマースクール、夏期講習会が終了いたしました。今年もたくさんの生徒さんにご参加いただきました。ありがとうございます。夏休みもそろそろ終わりですね。また元気いっぱいで学校に行ってください。
今年の高校野球も大いに盛り上がりました。100回目(100周年ではないところに歴史の重みがあります)の記念大会ということで、過去のレジェンドたちによる始球式も毎日行われ、話題になりました。初日にいきなり松井選手と母校の星稜高校という奇跡の開幕戦でした。今大会一の話題になりました金足農高の、準決勝戦の始球式も、過去の対戦相手だった桑田投手が投げるという、やはり持っている人たちというのはちがうなあ、と思わせるものばかりでした。そして、決勝戦が終わったあと、甲子園の空に虹がかかったのだとか。まるで物語のような大会だったような気がします。
吉野弘の詩に『虹の足』というものがあります。教科書にも載っていましたのでご存知の方も多いかと思います。バスから見ていたら虹が見え、その虹の足が、すっぽりと村を覆っていました。詩の最後は以下のようになります。
家から飛び出して虹の足にさわろうとする人影は見えない。
―――おーい、君の家が虹の中にあるぞオ
乗客たちは頬を火照らせ
野面に立った虹の足に見とれた。
多分、あれはバスの中の僕らには見えて
村の人々には見えないのだ。
そんなこともあるのだろう
他人には見えて
自分には見えない幸福の中で
格別驚きもせず
幸福に生きていることが――。
甲子園に出ていた高校生たちはもちろん自分たちの幸せを知っているでしょう。観客席で同級生を応援している高校生たちも知っていると思います。でも、虹の足は、もっと身近にもたくさんあると思います。夏休みのあいだ毎日、NEWSでがんばって勉強してくれた高校生の子たちもたくさんいます。彼ら、彼女らに、虹の足は見えていないかもしれません。
でも、この夏のがんばりは、彼ら、彼女らを大きく変えたと思います。みんな、いつか自分で空に虹をかける力をつけるためにがんばりました。ぼくには虹の足が毎日見えていました。