サッカーのワールドカップが終了しました。フランス対ウルグアイ戦の決勝、両チームのウォーミングアップから見始め準備万端だったのですが、試合が始まる前から寝てしまい、気がつくと、終了5分前でした。フランスの歓喜の瞬間は見られましたが……。それでも、来年のラグビーのワールドカップを早くも楽しみにしています。典型的なにわかファンですみません。
さて、大健闘だった日本代表でしたが、その勝ち上がり方は、大きく話題になりました。1次リーグ最後のポーランドとの試合で、負けているにもかかわらず、他の試合の結果に任せて、勝とうとせず、ずっとパスだけを回してそのまま最後までいってしまった試合です。ぼくも見ておりましたが、試合としては、もちろんつまらなかったです。相手も、まあ、これでいいか、みたいな感じでしたので、そのまま終わってしまったように見えました。ただ、もう一試合の結果次第の作戦でもありましたので、どきどきは最高潮でした。日本が決勝リーグへ進めて、単純によかったと思いました。
もしセネガルがもう1点取っていたら……というのは、もちろん、監督、選手の全員がわかっていますから、パスだけを選択するというのは、とてつもなく勇気があるな、とぼくは思いました。決勝へ行くという結果になってすら、これほどの反対意見が出るのですから、失敗していたらどうなっていたのか。想像するだけでも恐ろしいです。それも考えて、もう少し積極的に攻める選択をしても許されたのではと思います。そのあとのベルギー戦の奮闘もあり、時間のたったいまでは、やはり、決勝へ行くことを決めたその結果が全て、みたいになったかな、という気がします。
子どもたちに考えさせて、将来へつなげる、というような意見もあるようです。サッカー大好きな子ならなんというでしょうか。日本戦以外の試合も見ないと、なかなか判断はむずかしいかもしれません。最後まで走りまくって次の試合に大差で負けたというシチュエーションも考えられますが、だからといって、ポーランド戦で最後パスだけつなげばよかったんだ、という主張はなかなかむずかしいと思うのです。そして、そうすればベルギーにも勝てたかもしれない、とはさらにいいにくいのではないでしょうか? いまなら、チャンスはあったと知っていますが、試合前はそう思っていなかった人も多かったでしょうから……。
想像ではいろいろできますが、もう起こってしまったことは変えられません。コロンビアとの試合だって、もし、○○がなかったら、というのはたくさんありました。あの試合で負けていたら……というのも、想像はできても、もう起こらなかった過去のできごとにすぎません。だからこそ、なんといわれようとパスつなぎをやりとげた今回の日本代表はやはりすごかったな、とぼくは思いました。
道徳が教科になるというとき、答えを出す必要があるのだろうか、という思いがあります。今回のサッカーの試合も、道徳の教材になるかもしれませんが、いいとか悪いとか、正解とか不正解とかでは、なかなか決められないものだと思います。もちろん、点数もつけられません。ただ見るだけ、それも勉強なんじゃないかな、なんて思ったりします。話したい人は話して、考えたい人は考えて、わからないと思う人はわからないまま……。学校では点数を付けることがどうしても多いですから、点数を付けない時間があるといいな、と思います。たぶん、NEWSは、そのためにあると思います。