今年もNEWSサマースクールで、読書感想文のコースを行います。毎年、青少年読書感想文全国コンクールという、そろそろ本屋さんでも飾られる課題図書の中から、NEWSのおすすめの課題図書を選んで、授業で使用しています。では、今年の、各学年ごとのNEWSおすすめの1冊をご紹介いたします!
【小学校低学年】
|
『がっこうだってどきどきしてる』 (WAVE出版)
著者:アダム・レックス・文 クリスチャン・ロビンソン・絵 なかがわちひろ・訳 |
本の紹介
できたてほやほやの学校は不安で心配で、どきどきしていました。だって、明日から子どもたちがたくさんやってくるというのですから。そして新学期初日、子どもたちがわんさと学校にやってきて――。
|
【おすすめの理由】
まずなんといっても発想のすばらしさです! とてもおもしろく読めました。また、学校そのものを擬人化することによって、学校へ行くことの不安や、不満なども描かれています。学校なんて大嫌いと子どもたちにいわれてしまった学校の気持ちを考えてみてください! この絵本の最後には「学校って楽しいばかりじゃないけど、でもやっぱり楽しいかも」と子どもたちと学校が思うようになります。NEWSでの読書感想文や、国語、作文の授業も、ぜひそう思ってもらえるような指導をしたいと思います!
|
【小学校中学年】
|
『すごいね!みんなの通学路』 (西村書店)
著者:ローズマリー・マカーニー・文 西田佳子・訳 |
本の紹介
あなたはどうやって学校に通いますか? 徒歩? バスや車に乗って? 世界には、川の急流やけわしい山道、高いがけを越えていく子もいます。世界中の子どもたちの通学風景をとらえた写真絵本。
|
【おすすめの理由】
実は、この本をおすすめにするかとても悩みました。内容はすばらしく、まったく問題ありません。とてもおすすめです。しかし、写真を中心とした本のため、文字数が少ないのです。物語を読むのが好きという子には物足りないかも……。ですが、やはりこの本にしました。一枚一枚の写真に添えられた言葉少ないですが、写真そのものがものすごく多くのことを語っていると思ったからです。感想文に書くことによって、とても大事なことが学べるのではないかと思います。本を読むのが苦手、大嫌い! という子にこそ、ぜひ読んでほしいと思います。文章が少なくても読書感想文は書けます。NEWSで習って、国語を得意教科にする方法も学んでください!
|
【小学校高学年】
|
クニマスは生きていた! (汐文社)
著者:池田まき子・著 |
本の紹介
幻の魚・クニマス再発見までの秘話を紹介! 国の工事の影響で田沢湖から姿を消したクニマス。最後のクニマス漁師・久兵衛さんは絶望するが、卵が全国各地の湖に移植されていたと知り……。
|
【おすすめの理由】
なぜクニマスはいなくなったのでしょうか。国がダムを作るための工事で、田沢湖の水が変わり、クニマスだけでなく生き物が住めない湖になってしまったからです。そこには戦争が大きく関わっていました。それから何十年も過ぎ、田沢湖からはるか離れた湖でクニマスが見つかります。その事実は感動的ですが、いまでもまだ田沢湖にクニマスを返すことはできません。水質が変わったままだからです。いろいろな切り口で感想文を書けるテーマであることは確かだと思います。しかし、この本の中に出てくる問題が、過去にあった出来事ではなく、いまでもなお現在進行形の問題である、ということが大事なのではないかと考え、この本を選びました。現在進行形ということは、子どもたちの未来にそのままつながっていると思うからです。
|
今年も、それぞれおもしろくて、いろいろ考えてしまう本がそろいました。夏休みはNEWSの読書感想文コースにぜひおいでください!