2018年が始まっております。ウインタースクール、冬期特訓講習会は一足先に終了し、1月の通常授業がスタートしております。今年のコラムの1回目となります。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
2018年は戌年ということで、いぬが出てくる本をご紹介しようと思います。『山古志村のマリと三匹の子犬』という本をご存知でしょうか。2005年に出版された本です。実際にあったできごとが書かれています。
2004年10月23日の朝、マリは三匹の子犬を産みました。そして、その日の夕方、中越地震が起こりました。マリは必死で自分の子どもたちを守りました。それだけではありません。子犬たちを危険な場所から遠ざけたあと、飼い主のおじいさんがうごけなくなっている家の中にもどり、おじいさんをはげますように、ほほをなめてあげました。マリは朝になるまで、子犬とおじいさんのあいだを何度も何度も行ったり来たりして、元気づけたのです。マリはすっかり傷だらけになってしまいましたが、マリのおかげで、子犬もおじいさんも、助けが来るまで生き延びることができたのでした。
ところが、おじいさんは、安全な場所にヘリコプターで運ばれることになりましたが、マリと子犬は、その場に残されることになりました。おじいさんは必死でつれていってくれと頼みましたが、だめでした。少ない回数で、なるべく多くの人を助けなければならないのです。マリと子犬たちは、それから16日間、その場に残されました。マリは必死に子どもたちを守って、生き抜きました。お迎えのヘリコプターが来るまで、マリはがんばったのです。
最後に、マリが子犬たちといっしょに笑っている写真が載っています。ほんとに笑っているのです。いま、ひさしぶりに読み返しても、泣きそうになってしまいます。あれからも、いろいろな場所で、大きな地震が起こりました。マリの勇気、マリがくれた希望は、ずっと忘れてはいけないと、改めて思いました。母親の愛情というのはすごいですね。