NEWSのFacebookでも書いたのですが、週刊少年ジャンプで連載されていた漫画 『こちら葛飾区亀有公園前派出所』がとうとう40年で9月に終了するということで話題になりました。しかし、40年間、毎週かかさず連載するというのは本当にすごいですね。単行本は200巻になるそうです。1冊に10話のるとして、単純に2000編もお話を描かれたことになります。アラビアンナイトや星新一の2倍ですよ!
アニメになったり、ドラマになったりしましたので、漫画は読んでいないけれど、お話はなんとなく知っているという方もいらっしゃるかもしれません。めちゃめちゃなおまわりさん(両さん)を中心に、さらにめちゃめちゃなキャラクターたちが大暴れするドタバタのお話です。特に男の子に人気がある漫画で、男の子の好きなもの、プラモデルや、銃や、車や、飛行機などなど、作者の趣味と思われるマニアックなこだわりが漫画の中にあふれています。また、ときどき、主人公の両さんの子どものころの人情話の回もあり、人気があるようです。
週刊少年ジャンプは、あの大人気の『ワンピース』が載っていますから、読んでいる子も多いようですが、いまの子にも両さんの漫画は人気があるのでしょうか? まあ、もちろん人気があるから連載がつづいたわけですが、ぼくは何人かの子に聞いてみました。すると、やっぱり、みんな読んでいるのですね。週刊誌の漫画というのは、好き嫌いがあることがふつうで、『ワンピース』は絶対読むけど、○○は読まない、なんて子がけっこういます。ところが、両さんは、小学生に聞いても、中学生に聞いても、高校生に聞いても、だいたいみんな読んでいるのでした。女の子も読んでいるようです。
うーむ、とぼくはうなりました。なにせ40年ですから、いまの大人もたいてい子どものころ何回かは読んでいると思います。それが、こうしていまでもつづいているわけです。何十年も、多くの人に読まれつづけたのはなぜなのでしょうか。おそらく、主人公の両さんがひどいめに合う(もちろん自業自得なのですが)ことは多くても、だれかをいやな気持にさせることがないからではないか、と思いました。読み終わり、ああ、また両さん(部長さんに)怒られてるよと笑って、それですっきりして終わる、あと味の良さといいますか、さっぱり感といいますか、そういうことが長く読まれた理由なのではと思うのです。両さんと部長さんが仲良く終わる回だと、トムとジェリーが仲良しで終わるときのような、レアなしあわせにつつまれたりします。
もちろん、それはとてつもなくむずかしいことでしょう。なんといっても、40年間、2000回もそれをやりつづけたのですから……。作者の秋本先生にはお疲れ様でしたと、ジャンプ連載陣のすべての漫画家からのメッセージが書かれていましたが、なんと、もうすでに、他の雑誌で描く漫画が決まっているようで、それもいくつもあるようで、まだまだ休まずに描きつづけるようです。すごい! たまにまた両さんも描くかもとのことなので、ぜひ読んでみたいですね。
NEWS板橋校室長
三木 裕