NEWSホームページなどを作成していただいている本社の方から、縄文時代の調査研究について教えてもらいました。その当時の人たちの骨を調べたあとにわかった事実です。かなり驚かれると思います。以下の内容です。
『このことは単に縄文時代において四肢廃用をもたらす急性灰白髄炎という疾患の存在だけではなく、
幼少期に本症に侵され四肢筋の重度の麻痺という日常生活に著しい障害を生じ十数年に渡って長く寝たきり生活を送らざるをえなかった個体の存在は、
縄文時代の生活条件の厳しく医療未発達な原始社会においてすでに、
このような重度の身体障害をもつ者を受け入れ周囲の手厚い看護と社会保護がなされていた時代であったことを示す貴重な症例であると考えられ、
自分の力で自分の生命をささえることができなかった女性が数年の間生きつづけたという事実は
縄文後期の入江式土器人の精神生活とその社会構造を知るうえに重要なことであり極めて興味深い。』
ある科学誌に掲載された論文の一部なのだそうで、ちょっと読みにくいかもしれませんが、縄文時代の人間の骨から重度の障害のあるものがいたことがわかり、そして、いまよりもはるかに厳しい条件だったにもかかわらず、十数年に渡って生きつづけたことが書かれています。つまり、縄文時代の人々は、障害のあるものを受け入れ、まわりのものが手助けして、ともに生活をしていたということなのです。
思わず息をのむような記事でした。美しい心といってしまえばその通りなのですが、なんというのでしょうか、そういったいまの尺度で解釈してはいけないような、そんな崇高さが感じられました。ごく自然に、ごく当たり前のように、みんなで生きていたのではないか、というような。
それに比べていまは……などというのもやめましょう。信じられないような事件、ニュースはあとをたちませんが、少なくとも縄文時代の人間の心の中にはあったものが、すこしはいまの人間にもあると信じたい気持ちになったので……。
人間の進歩や文明っていったいなんなんでしょうね。NEWSの子どもたちと話してみたいと思いました。
NEWS板橋校室長
三木 裕