『ぼくはしんだ
じぶんでしんだ』
いきなり怖いことばで
おどろかせてしまって
ごめんなさい。
谷川俊太郎さんのことばと
合田里美さんという方の絵の
『ぼく』という絵本に出てくる
ことばです。
先日、夜中に
偶然この絵本を作る過程を描いた
テレビ番組を見て
この絵本のことを知りました。
子どもの自死をテーマに
絵本を作りたいというのは
編集者の方のご提案だったようです。
みじかいことばがつづきます。
そのことばを絵は説明しません。
自死の理由もわかりません。
谷川さんと合田さんは
なんどもなんどもやりとりをして
なんどもなんども描き直し
そのたびに
ちがう絵になりました。
その絵本を
次の日買いに行きました。
さいごに編集部のことばが
ありました。
『死なないでください』
子どもたちが読むには
むずかしい絵本かもしれません。
読んでみて、と
むりやり渡すのも
ちがうと思います。
読んで深く悩む子も
いるかもしれません。
でも、だれにも
じぶんから死んでもらいたくない。
そんな気持ちが
あふれていました。
ぼくの校舎の本棚に
置いていいものか
悩みます。
しばらくは
見えないところに
置いておこうかと思います。
でも、いつか、
ほんとうに必要な人に
この絵本が届いてほしいと思います。
ミライアカデミー板橋校
室長 三木 裕