第455回

残り三分、三点差で

2016.06.24更新

 元ラグビー代表監督で、名選手でもあった平尾誠二氏の本を読んでいましたところ、どきっとすることが書いてありました。長くなりますが、引用させてください。

『ひとつ例をあげれば、残り三分、三点差で負けているところで、相手ゴール前斜め十五メートルの地点でペナルティをもらったとする。ゴールを決めれば同点。トライを取ればもちろん逆転だ。その選択は勝敗の行方を大きく左右することになるけれど、その時、ゴールを狙うのか、それともあくまでもトライを取りに行くのか、最近は監督なりコーチなりが指示を出すことが多くなったのだ。もしくは「こういうケースではこうする」とあらかじめ決められるようになっている。』


 昨年のラグビーワールドカップを思い出しませんか? あの南アフリカとの一戦を。あのときは、もっともっと厳しい場面だったと思います。残り時間はなく、相手はあの優勝候補の南アフリカ、しかもワールドカップです! 何点差で負けるだろうか、あまり大差にならないといいがと願うファンはたくさんいても、勝つと思っていたラグビーファンはほとんどいなかったと思います。キックで同点にして、引き分けでも大健闘といわれたはずです。監督も、引き分け狙いのゴールを指示しました。けれども……。グラウンドにいたラガーマンたちは、全員の意思で、トライを狙うことを選び(監督はそのとき怒りまくったそうですが)、結果的に、スポーツ史上に残る勝利となりました!

 平尾氏の本が発行された日を見てみますと、2012年5月1日と書いてありました。ワールドカップの3年前の本のようです。特にラグビーをする人だけではなく、いまを生きる、特に若い人たちへのメッセージが書かれている本でした。先ほど引用した部分は、つづきにこのように書かれています。

『その試合に勝つためだけなら、たしかにそうしたほうがいいだろう。データをもとにしたシミュレーションにしたがったほうが、成功する確率は高いからだ。
 けれども、私ははたしてそれが正しいのか疑問に感じている。

「そこは選手が判断しなければならないのではないか」
 そう思っている。』

 まさに、ワールドカップそのままだと思いませんか? それ以上の場面で、自ら選択し、勝利を手にした選手たちにあらためて感動します。そういうふうに選手たちを指導した監督たちスタッフの力ももちろん大きいのだと思います。あの場面で、監督に逆らってまでも判断できるなんて、相当自信がないとできないことでしょう。この本では、そういう力がいま衰えているのではないかという感じで書かれていましたが、ワールドカップの試合を見た後のいまでは、そういう力を人間は持っているのだから、努力しなければいけないのだ、というふうに読めます。なにごとにおいても、自分で判断するということは、むずかしく、責任を負うものではありますが、生きていくために絶対に必要な力でもあります。たとえば、こうしたコラムを書くことも、すこしそういうところがあります。これからも、子どもたちに伝えたいなにかを探していきたいと思います。次回のワールドカップも(まだ先ですが)楽しみですね。その前にもう1試合スコットランド戦がありますのでそっちもがんばってほしいです!


NEWS板橋校室長  
三木 裕

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会社概要

商号
株式会社 NEWS(ニュース)
創業
2000年3月1日(株式会社国大セミナーの一部門として創業)
設立
2012年10月1日
資本金
1000万円
代表者
代表取締役 小倉康司
本社
〒330-0063 埼玉県さいたま市
浦和区高砂2-5-5 KIビル 3F
電話
048-831-2223
事業内容
子どもの総合教育企業。
子どもたちが、21世紀を生き抜くために必要な教育を提供している。1人ひとりの成長に責任を持つために、全ての事業は少人数制を基本としている。
グループ
株式会社 国大セミナー
会社
設立:1985年10月1日
■学習塾(国大セミナー)120校(2021年4月現在)
グループ
株式会社 NEWSエンターテインメント
会社
設立:2008年10月1日
■子役養成機関(NEWSエンターテインメント)
グループ
株式会社 そらまめキッズツアー
会社
設立:2010年10月1日
■子どもの体験型ツアー実施する旅行会社
(そらまめキッズアドベンチャー)
グループ
株式会社 オレンジプラネット
会社
設立:2015年2月1日
■保育園・インターナショナル保育園・学童くらぶ
グループ
株式会社 ドリームプラネット
会社
設立:2015年6月1日
■生活・文化・新規事業部門

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