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第38回

ほめられたい!(4/25)


 いま読んでいる小説に下のような文章が載っていましたので、引用してみます。
『私の友は、このことばと私がそれをいった熱心な調子とに、うれしげに顔を赤らめた。これは私がすでに気づいたことだったが、彼は自分の仕事ぶりを褒められると、まるで少女が美貌を褒められたときのように、敏感に反応するのである。』
 ほめられてとても喜んでいるのはいったいだれだと思いますか? そのほめたことばを書くとわかるかもしれません。
『君は探偵という仕事を、現実世界において可能なかぎりまで、厳密な科学に近づけたのですよ』
 
 そうです。ほめられていたのは名探偵シャーロック・ホームズ、そして、ホームズをほめているのは常にホームズの忠実なる助手のワトスン博士だったのです。子どもの本……と笑わないで下さい。本来、シャーロック・ホームズ物は大人のための小説なのですから。いま読んでいますのは、ホームズ初登場の長編『緋色の研究』という本です。ワトスン博士との出会いも書かれています。
 かの名探偵シャーロック・ホームズ氏もほめられると、やはりうれしいようですね。作品の中では自信満々の様子ですが、ワトスン博士のほめことばにはひとたまりもないようです。もちろん、ほめられてうれしくない人はいないでしょう。大人だって、名探偵だって、もちろん、子どもにとっても。
 NEWSの先生方は、授業中、よくみんなのことをほめています。ほめ上手、ということばもありますが、ぼくは少しちがうように思っています。ほめ上手というと、なんとなくほめるところをむりにでも探してほめる、というような印象もうけてしまいますが、NEWSの先生方は、ごく自然によいところを見つめていると思うのです。さきほどのホームズ氏も、ただほめられればいいというわけではないはずです。自分の仕事を正当にほめられたからこそ、顔をあからめるほど喜んだのでしょう。ワトスン博士も、ホームズを喜ばせるためというよりも、ごく自然に出たことばだったにちがいありません。教室でNEWSの先生方が、子ども達のいいところをさりげなくほめている様子を見ていると、こちらもうれしい気持になります。
 子ども達のよいところは、探そうとするよりも先に、自然とこちらの中に飛び込んできます。どんな子でもそうです。必ずいいところがあります。それらをきちんと受け止めて、ちゃんとことばで伝えたいと思います。

NEWS青葉台校室長
三木 裕

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