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第108回

6月7日のことA 野田昌宏様へ(7/1)


6月7日の朝刊に、氷室冴子氏とともに、野田昌宏氏の訃報も掲載されていました。野田昌宏さんの経歴としては、ポンキッキなどの子供向けテレビ番組の仕事や、『銀河乞食軍団』シリーズのSF小説の仕事、翻訳などが主に紹介されていました。
 これらの仕事に関して、考えてみると、ぼくはどれも多かれ少なかれ接しているのですが、ぼくが野田昌宏さん(あるいは本名の野田宏一郎さん)という名前でまず思い出すのは『スペースオペラへの過剰な愛!』ということです。
 いまはそれほどでもないのですが、学生の頃はSF小説なるものをけっこう読んでいました。最近のことはわかりませんが、やはりちょっとマイナーな感じが当時はありました。そのマイナーなSFの中でもスペースオペラというものは、さらにちょっとマイナーな印象があったように思います。ぼくだけの印象かもしれませんが……。しかし、火星や金星に行って地球人が大活躍とか、恐ろしい怪物宇宙人が地球に来てといった話が多かったですから、まあ、そう思う人も多かったと思います。
 その中で、野田宇宙軍大元帥(そう呼ばれていました)は孤軍奮闘という感じで、スペースオペラにも傑作や名作が(もちろん駄作も)あるのだ! ということをあちらこちらで訴えていたのです。若い人たちへの真摯なメッセージというものがあり、心躍るものがありました。
うちにある『火星の巨人ジョーグ』という本(題からしてすごいですが)に野田氏作成による火星の地図と論文が載っています。火星シリーズ全作品に対する愛情いっぱいの文章となっております。
 氷室冴子さん、野田昌宏さん、ともに、書かれたものには愛がありました。自分が愛するものを、たくさんの、特に若い人たちに伝えたいという思いがあふれていました。その思いがあるからこそ、それぞれのやり方で表現された作品が、いまなお読むものの心をうつのでしょう。同じ日の新聞に、このような形でお名前を見たこと、とても残念です。ご冥福をお祈りいたします。お二人の本はこれからもずっとぼくの家の本棚にあります。

NEWS青葉台校室長   
三木 裕

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