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第96

都立高校入試問題から(2/26)


 2月に行われました東京都の都立高校入試問題を見ました。物語文として使用されていたのは伊集院静氏の作品でした。第82回の先生のコラムで書いたのですが、以前は中学入試問題でよく使われていた伊集院静氏ですが、最近は高校入試でよく使用されているようです。
 
その物語文の読解問題で、ちょっとおもしろいものを見つけました。次の問題です。
『「そうだね。今はちいさなリョウシみたいなものだけど、いつか大きなソン、ソン……。」とあるが、あなたが「ボク」だとして、このときの「ボク」の気持ちをナホミたちに伝えるとしたら、どのように言うか。あなたの話す言葉を五十字以内でまとめて書け。』
 
 「ソン、ソン……」というのは存在のことで、リョウシも粒子の間違いなのですが(文章中に書かれています)、解答例を見ますと、仲間の大切さや、いまは小さな存在だけれどやがて人との関わりあいによって大きな存在になるのだ、というようなことを書かせる問題のようです。
ひとりという小さな存在が、仲間(物語の中ではチームという言葉を使っています)となっていく、というモチーフは、高校入試では正統派すぎて、意外に難しいかもしれません。ですが、物語自体がとても魅力的なものですので、このような気持ちをつかむのは、できてほしいかな、とも思います。さらに、この問題がおもしろいと思いましたのは、「話す言葉」で書かなければいけない、ということです。解答例も「仲間は大切だね」などと書かれています。これに苦戦した子がけっこういるのではないでしょうか?
話し言葉であることが、どの程度採点に加味されるのかはわかりませんが、慣れていない子はかなり時間を使ってしまったと思います。けれども、物語を理解し、そのときの様子を想像して書ければ、きっとできるはずです。国語の勉強は、とても想像力が大切なのですが、その解答に、こうやって具体的に想像力を使わせる問題というのは、とてもめずらしいです。都立高入試に使われるくらいですから、これからもっともっと増えるかもしれません。こういう問題ができる子になってほしいですね。これからの指導に生かしていきたいと思います。

NEWS青葉台校室長   
三木 裕

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