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第495回

あの血まみれの男は誰だ?

NEWS板橋校 三木裕

2017.05.19更新

 いきなりものすごく物騒なタイトルですみません! ただいま読んでいるミステリーのタイトルです。あまり売れていない俳優が探偵役のシリーズの1冊で、まだ半分くらいしか読んでいないのですが、なかなかおもしろいです。ぜんぜん犯人の見当はつきませんが……。
 題名はすごいですが、すこし前の本ですので、凄惨な場面などがあるわけでもなく、ユーモラスな、どこかのんびりとしたミステリーです。まわりから嫌われている老優がすべて鍵がかけられている酒場で死んでいました。それを探偵役の俳優が見つけるのですが、彼自身がものすごく酔っ払っていて、なにが起こったのか正確にはわかりません。ただ事故死とも見える状況ですが、ある事実から、探偵(と犯人)だけは事故ではないことがわかっており、そうなるとだれも入れない現場にいた自分がどう考えてもいちばん疑われてしまうので、仕方なく事件解決を目指していくというお話です。
 殺されたのも俳優、探偵をするのも俳優ということでお気づきかもしれませんが、これは、ある舞台を演じるために集まった演出家、俳優が事件関係者のすべて、つまり犯人(まだわかりませんが)や容疑者になっています。その演じるお芝居というのがシェイクスピアの『マクベス』で、台本読み、場面ごとの稽古、通しリハーサルなどが、順番に(そしてハプニング続出に)書かれており、そのあたりも、この本のおもしろさとなっております。
 そして、題名になった『あの血まみれの男は誰だ?』というのも、実は『マクベス』に出てくるセリフなのでした。もちろん、この本に書いてあったから知っただけで、そんなセリフは知りませんでしたが、シェイクスピアのセリフだと思って見ると、またちょっと趣が変わってくるように思いませんか? 恐ろしい凄惨な物語でも、のんびりしたユーモアミステリーでもなく、勇壮な格調高い古典劇のような……。権威あるものの言葉というだけで、かなり印象が変わってしまうような気がします。ちなみに、マクベスとマクベス夫人に殺されてしまうスコットランド王ダンカンのセリフです。……なんて書くと、また、さらに権威的な感じが強まるでしょうか?
 ぼく自身が、まったく知らずにこの本を読み始めて、シェイクスピアの言葉だと知って感じた言葉のおもしろさをご紹介したくて、コラムに書いてみました。題名を読んだだけで、『マクベス』のセリフかな、と思った方もおられますかね? そういう方には、このコラムは、ぜんぜん『マクベス』の話が出てこなくてがっかりだったかもしれません。すみません! それも日本語のおもしろさと感じていただけますと幸いです……。

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会社概要

商号
株式会社 NEWS(ニュース)
創業
2000年3月1日(株式会社国大セミナーの一部門として創業)
設立
2012年10月1日
資本金
1000万円
代表者
           
代表取締役 小倉拓也
本社
〒330-0063 埼玉県さいたま市
浦和区高砂2-5-5 KIビル 3F
電話
048-831-2223
事業内容
子どもの総合教育企業。
子どもたちが、21世紀を生き抜くために必要な教育を提供している。1人ひとりの成長に責任を持つために、全ての事業は少人数制を基本としている。
グループ
株式会社 国大セミナー
会社
設立:1985年10月1日
■学習塾(国大セミナー)104校(2024年3月現在)
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株式会社 NEWSエンターテインメント
会社
設立:2008年10月1日
■子役養成機関(NEWSエンターテインメント)
グループ
株式会社 そらまめキッズツアー
会社
設立:2010年10月1日
■子どもの体験型ツアー実施する旅行会社
(そらまめキッズアドベンチャー)
グループ
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設立:2015年2月1日
■保育園・インターナショナル保育園・学童くらぶ
グループ
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■生活・文化・新規事業部門

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